経産省が「デジタルスキル標準」を公表、DX推進人材のスキルを定義

経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、企業・組織のDX推進を人材のスキル面から支援するため、DXを推進する人材の役割や習得すべきスキルを定義した「DX推進スキル標準(DSS-P)」を今回新たに策定し、今年3月に公開した「DXリテラシー標準(DSS-L)」と合せて、個人の学習や企業の人材育成・採用の指針である「デジタルスキル標準(DSS)」ver.1.0として取りまとめた。

「デジタル田園都市国家構想基本方針(令和4年6月7日閣議決定)」において「令和4年内にDX推進人材向けのデジタルスキル標準を整備する」と示されている。これを受けて、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、6月にDX 推進人材向けのデジタルスキル標準を検討する有識者WGを設置し、専門家による検討・議論を重ね、今回、経済産業省が主催する「デジタル時代の人材政策に関する検討会」において、「デジタルスキル標準(DSS)」ver.1.0を取りまとめた。

「デジタルスキル標準」は、ビジネスパーソン全体がDXに関する基礎的な知識やスキル・マインドを身につけるための指針である「DXリテラシー標準」、及び、企業がDXを推進する専門性を持った人材を育成・採用するための指針である「DX推進スキル標準」の2種類で構成されている。

「DXリテラシー標準」(2022年3月29日公表済)は「全てのビジネスパーソンが身につけるべき能力・スキルの標準」であり、「DX推進スキル標準」(2022年12月21日公表)は「DXを推進する人材の役割や習得すべきスキルの標準」と位置づけられる。

なお、「デジタルスキル標準」で扱う知識やスキルは、共通的な指標として転用がしやすく、かつ、内容理解において特定の産業や職種に関する知識を問わないことを狙い、可能な限り汎用性を持たせた表現としている。そのため、個々の企業・組織への適用にあたっては、各企業・組織の属する産業や自らの事業の方向性に合わせた具体化が求められることに留意する必要がある。

経産省は今後、関係省庁との連携の下で、様々な民間プレイヤーの関与を得ながら普及・活用に向けて取り組むとともに、ユーザーのフィードバックを得ながら、デジタルスキル標準の継続的な見直しを行っていく。

まず、デジタル人材育成プラットフォームのポータルサイト「マナビDX」において、研修事業者等が提供する学習コンテンツと「DX推進スキル標準」を紐づけて可視化していく予定だ(「DXリテラシー標準」については、既に学習コンテンツとの紐づけを実施)。これにより、利用者は自身が目指すロールに必要な知識やスキルが効果的に学べるコンテンツを選択、学習しやすくなる。また、「デジタルスキル標準」を習得するための教育コンテンツの充実等も引き続き図っていく。

デジタルスキル標準の概要については、下記を参照。
https://www.meti.go.jp/press/2022/12/20221221002/20221221002-1.pdf

22.12.22news1

「DXリテラシー標準」の全体像(経済産業省・資料より)