【PISA2022】日本は3分野全てにおいて世界トップレベルに
OECD(経済協力開発機構)は12月5日、生徒の学習到達度調査「PISA2022」の調査結果を発表した。
国立教育政策研究所が同日公開した「PISA2022の結果概要(日本)」によると、日本は数学的リテラシー(1位/5位)、読解力(2位/3位)、科学的リテラシー(1位/2位)の3分野全てにおいて世界トップレベルとなった〔( )の左側はOECD加盟国中、右側は全参加国・地域中における日本の順位〕。
数学的リテラシーは、「数学的に推論し、現実世界の様々な文脈の中で問題を解決するために数学を定式化し、活用し、解釈する個人の能力のこと」で、日本の数学的リテラシーの平均得点(536点)。前回調査(2018年)からOECDの平均得点は大きく低下した(今回472点、前回489点)一方、日本は高水準で安定している(前回527点)。
読解力は、「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発展させ、社会に参加するために、テキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、これに取り組むこと」で、測定する能力は、「①情報を探し出す」「②理解する」「③評価し、熟考する」としている。日本の読解力の平均得点(516点)は、前回調査(504点)から上昇し、OECD平均は平均得点の長期トレンドが下降している(今回476点、前回487点)。
科学的リテラシーは、「思慮深い市民として、科学的な考えを持ち、科学に関連する諸問題に関与する能力」で、測定する能力は、「①現象を科学的に説明する」「②科学的探究を評価して計画する」「③データと証拠を科学的に解釈する」。日本の科学的リテラシーの平均得点(547点)は、前回調査(529 点)から上昇。OECD平均は、平均得点の長期トレンドが下降している(今回489点、前回485点)。
PISA(Programme for International Student Assessment)はOECDが進めている国際的な学習到達度に関する調査。PISA調査では15歳児を対象に読解リテラシー、数学的リテラシー、科学的リテラシーの三分野について、3年ごとに調査を実施している。次回PISA2025は、2024年に予備調査、2025年に本調査の実施が予定されている。
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