【識者コメントあり】2025年度「DXハイスクール」に1,191校が採択 新規採択は213校
本記事は、4月16日公開の記事に社会構想大学院大学の荒木貴之教授のコメントを追加し、新たに公開したものです。コメントは記事の末尾にあります。
文部科学省は4月15日、2025年度「高等学校DX加速化推進事業」、通称「DXハイスクール」の採択校を発表した。
DXハイスクールは、デジタル人材の育成を高校段階から行う必要が生じていることを背景に、国が昨年度開始した事業。
全国の公私の高校、中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部のうち、情報・数学教育に力を入れるものや、ICTを活用した文理横断的・探究的な学びに取り組むものに、1,000万円(2度目以降は500万円)の「高等学校等デジタル人材育成支援事業費補助金」を提供する。
昨年度は公立746校、私立264校の計1,010校が採択された。
今年度は公立871校、私立320校の計1,191校が採択された。うち、新規採択は213校。残りの978校は、昨年度に続いての採択となった。
都道府県別では、採択校がもっとも多かったのは東京都で、112校。大阪府(67校)、兵庫県(58校)、愛知県(49校)、北海道(47校)、福岡県(同)と続いた。
採択校の一覧は以下から確認できる。
https://www.mext.go.jp/content/20250415_mxt_koukou01_000039718_0008.pdf
【識者コメント】
社会構想大学院大学 実務教育研究科 荒木貴之教授(情報科学)
文部科学省のDXハイスクール(高等学校DX加速化推進事業)では、全国の高校の約5分の1の学校が、DXに関わる予算を受け取ることになる。
DXのXが意味するのはトランスフォーメーション、すなわち今までの教育の「再定義」をデジタルで行うということである。採択された学校や所管する教育委員会においては、単にアナログをデジタルに置き換えるということに止まらず、生徒たちがSociety5.0の社会において、自らのキャリア構築にオーナーシップを持って取り組むことができるようなスキル・知識・コンピテンシーを、「再定義」する新たな教育の中で育成してもらいたい。
大学・短大・高専ではMDASH(数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度)の取り組みが進み、社会においてはDSS(デジタルスキル標準)等が示されている。国のデジタル人材育成において、DXハイスクール・MDASH・DSSという座組は整った。これらが連携・連動していくことが、真のデジタル人材育成には欠かせない。