地域農業の発展と人材育成のため、校内で約80年ワインづくりを継承

農学校を前身とし、来年創立110年を迎える塩尻志学館高等学校。1943年に果実酒類製造免許を取得し、以来約80年にわたり校内でワインづくりをしているユニークな高校だ。ワイン製造の授業と、それによる地域の人材育成への貢献について、田畑学校長と宮入教諭に話を聞いた。

多様な進路を実現するため、県内初の総合学科を設置

田畑 邦仁

田畑 邦仁

塩尻志学館高等学校 学校長
1986年、北佐久農業高校で教諭として新規採用。その後塩尻高校、塩尻志学館高校、丸子実業高校、丸子修学館高校、下伊那農業高校教頭などを経て、2017年より長野県教育委員会事務局高校教育課高校改革推進係主幹指導主事。2019年より現職。

長野県のほぼ中央に位置し、江戸時代に栄えた中山道の宿場町などが残る歴史深い街・塩尻市。都市近郊型の利を活かし、野菜と果樹の生産体制が形成され、レタスやリンゴ、ブドウ、梨などが種類豊富に栽培されている。また、欧州系ブドウを原料とするワインの製造では、国内のみならず世界のワイン愛好家からも知られる存在だ。

そんな塩尻市で農学校を前身とし、来年創立110年を迎える伝統校が県立塩尻志学館高等学校だ。約700人の生徒を擁する同校は、2000年の節目に校名を塩尻志学館高等学校(旧塩尻高等学校)に改称し、普通科と専門学科を統合した…

(※全文:2875文字 画像:あり)

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