世界にない価値を生み出す匠の技 ものづくりを支える人材育成の極意

精密機械工業の盛んな長野県諏訪地方で地域を牽引するセイコーエプソン。同社の DNA であり、技術力の源泉となっているのが「省エネルギー、小型化、高精度」だ。ものづくりを支える人材育成のあり方を、「インクジェットプリンターの父」とも呼ばれる取締役会長の碓井稔氏に聞いた。

世の中にない価値を創造する

碓井 稔

碓井 稔

セイコーエプソン株式会社 取締役会長
東京大学工学部を経て信州精器株式会社(現 セイコーエプソン株式会社)入社。1993年、マイクロピエゾテクノロジーを搭載したインクジェットプリンターの商品化に成功。2008年の代表取締役社長就任後、自社の強みに資源を集中し、事業構造を再構築し、安定的かつ継続的に利益を生む会社へと変革した。2020年4月より現職。

セイコーエプソンは1942年の創業以来、世界初の小型軽量デジタルプリンター、世界初のクオーツウオッチ、世界初の写真画質インクジェットプリンターなど、独自技術によって世の中にない価値を創造し続けてきた。いずれも、商品を作り出す技術がはじめから存在したわけではない。その都度、現場で社員一丸となって、自分たちにしか創造することのできない商品を作り上げてきた。

そうしたものづくりを支える上で欠かせないのが人づくりだ。そこで大切なのは、「一人一人が高い志を持ち、誰にも負けない…

(※全文:3644文字 画像:あり)

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