長い歴史を持つ繊維学部をはじめ、県内全域に広がる分散型キャンパス

長野県全域に5カ所のキャンパスを持ち、人文学部、教育学部、経法学部、理学部、医学部、工学部、農学部、繊維学部の8学部と大学院5研究科を有する信州大学は昨年、創立70周年を迎えた。同大学を2015年から率いる濱田州博学長に、大学の強みと地域との関わりについて聞いた。

産学連携につながる研究群、大学発ベンチャーの活躍を後押し

──信州大学の特徴や、近年特に力を入れておられる点をお聞かせください。

濱田 州博

濱田 州博

信州大学 学長
1959年兵庫県生まれ。1982年東京工業大学工学部卒業。1987年同大学院博士課程修了。1987年通商産業省工学技術院繊維高分子材料研究所研究員。1988年信州大学繊維学部助手。1996年同助教授、2002年同教授、2010年繊維学部長、2012年副学長を経て2015年10月より現職。

信州大学の特徴の1つは、2019年に新たに生まれ変わった先鋭領域融合研究群に表れています。創設以来、長年にわたって培ってきた研究の特徴と強みを伸ばすために改組されたもので、3つの研究所と3つの研究拠点から成ります。

研究所の1つは、燃料電池や太陽電池、クリスタルなどを扱う「先鋭材料研究所」です。本学は材料研究に力を入れており、若手の研究者が多いのもこの研究所の特徴です。ほかにも、バイオとメディカルを合わせた「バイオメディカル研究所」や、自治体の社会基盤を社会科学の観点から研究する「社会基盤研究所」があります。一方の研究拠点には…

(※全文:3329文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。