従業員参加型のHRM施策群でコミットメントモデルへの転換を
社会が大きく変化する中、企業が持続的な成長を目指す上で重要な要因が人的資源管理(HRM)である。モチベーション・マネジメントを始めとしたHRM施策群が企業業績にどう影響するのか。どういったHRM施策群が求められるのか。組織心理学を専門とする小林裕教授に話を伺った。
組織心理学から見る
モチベーションとは?

小林 裕
東北学院大学 教授
専門分野は組織心理学、人的資源管理論。博士(文学)(東北大学)。東北大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。労働省(現厚生労働省)、法務省、東北学院大学教養学部講師、助教授等を経て、東北学院大学教養学部教授。主な著書に『戦略的人的資源管理の理論と実証―人材マネジメントは企業業績を高めるか―』(文眞堂.第17回経営行動科学学会賞)など。
──組織心理学でモチベーションはどの様に捉えられているのでしょうか。
モチベーション(動機づけ)は人間の行動の始発・持続・方向づけのプロセスなので、組織心理学において「仕事への動機づけ」(work motivation)は最重要テーマの一つです。そして仕事への動機づけには、「人はなぜ働くか」と「どんな時に一生懸命働くか」という二つの問題があります。前者は、どんな欲求が仕事への動機づけをもたらすかという問いに答えるもので、マズローの欲求5階層説(①生理的、②安心・安全、③所属・愛情、④承認・自尊心、⑤自己実現)やハーズバークの動機づけ-衛生理論、マクレランドの達成・支配・親和欲求理論などが代表的ですが、これらに共通することは、大きく高次(自己実現、達成など)と低次(生理的、社会的)の欲求に分類できることです。
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