eラーニング、集団生活などを踏まえた幹部教育の教育設計とは?

効果的な研修を行うには、カリキュラムの設計により、どう受講者の学習意欲を高めるかが重要な要素となる。またコロナ禍の影響もあり、教育の場ではICTの活用も課題となっている。全国の消防職員などに対して、幹部職員の教育を担う消防大学校の取組みを伺った。

全国から職員が集う
消防大学校の幹部教育

齋藤 健一

齋藤 健一

消防大学校 調査研究部長 併任 教務部長

岩村 克彦

岩村 克彦

消防大学校 教務部 助教授

消防講習所を前身とし1959年に改組した消防大学校は、市町村の消防職員などに対し幹部としての高度な教育訓練を行う国の機関として、全国で活躍する消防本部の幹部職員を輩出してきた。消防大学校では、総合教育(4学科)、専科教育(8学科)、実務講習という3つの体系があり、このうち総合教育では、消防組織の上級幹部として必要な知識や技術などを学ぶ。

総合教育の主体となる幹部科では、幹部として必要な素養や人権といった一般教養、消防庁における施策の動向、組織管理に必要なリーダーシップ論やハラスメント防止、消防組織を率いていくために必要な部隊の指揮や実務等の運用論、消防組織特有の安全管理や訓練、関連分野との連携などで構成されている。

消防大学校への入校は、市町村の消防職員などから、各学科の入校要件に合致し、さらに市町村、都道府県から推薦された人材が入校する形となっており、…

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