課題はキャリアパスや経済的支援、博士人材の活躍に向けた取組とは?
日本では、欧米諸外国と比較して長らく企業・大学問わず、博士人材の活用が課題と指摘されてきた。政府の「骨太の方針2021」では、博士人材の育成・活躍推進に向けて種々の取組が盛り込まれている。政府・企業・大学の動向を俯瞰しつつ、博士人材の育成・活躍の道筋を検証した。
博士人材の育成・活躍を巡る2つの大きな課題
急速な技術革新とグローバル化が進む中で、国際的な動向を見ると、博士人材の価値が高まっている。世界の主要国に目を向ければ、高い専門性を備えた人材が労働市場で重視され、それによって博士号取得者も伸びている状況にある。EU諸外国では企業CEOが博士号を取得していることも珍しくはない。そうした状況に反して、日本では博士号取得者数の減少傾向が続いている。
大学院博士課程入学者数は、2003年度をピークに、2019年度には前年度より微増しているが、減少傾向が続いている。こうした背景には、博士人材のキャリアパスの不透明さと、博士課程学生の経済的な問題という大きな2つの課題がある。
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