環境系大学院のリカレント教育 専門人材育成の針路を見出す

グリーン社会の実現が叫ばれる中、社会人が学べる環境系の大学院等はごく僅かだ。上智大学大学院 地球環境研究科はその数少ない教育機関の一つだが、社会人入試枠はさほど活用されていないという。専門人材の育成に求められる方策について検討する。

文理横断型カリキュラムと国際性豊かなコース

田中 嘉成

田中 嘉成

上智大学大学院 地球環境学研究科 研究科委員長
1991年、名古屋大学大学院修了、農学博士。横浜国立大学において化学物質の生態リスクを生物種の絶滅リスクとして評価する研究プロジェクトに参加した。その後、中央大学経済学部教授、国立環境研究所環境リスク研究センター室長を経て、2016年より、上智大学大学院地球環境学研究科教授。

上智大学大学院 地球環境研究科は、人類が直面する地球環境問題の解決に向けて、従来型の各学部の上に設置される形態ではなく、独立大学院として2005年4月に創設された専門大学院だ。特に環境分野において、高い使命感と、社会科学と自然科学の知識を総合し、理論と実践を結び付ける知力・学力とを有する人材の育成を目指している。

同研究科の特徴は大きく3つある。1つ目の特徴は、環境問題に幅広い分野からアプローチするための、文理横断型の教育カリキュラムだ。自然科学から人文社会科学まで、地球環境に関連する広い科目群の中から、文系・理系を問わず、各自の関心や将来の進路などに応じて自由に科目を選択できる。

(※全文:2374文字 画像:あり)

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