民間企業に就職して良かったと感じる博士人材が7割超

IT領域の人材紹介を手掛けるレバテック株式会社は2月26日、民間企業における博士人材の活躍実態に関する調査の結果を発表した。

イノベーション創出の観点から、アカデミアのみならず産業界でも活躍することが期待されている博士人材。昨年3月に「博士人材活躍プラン」を発表するなど、国も支援を進める中、活躍はどの程度進んでいるのか調べた。

調査は1月、博士号を取得後、民間企業に就職した人を対象に実施。212名から回答を得た。

博士号取得後、なぜ民間企業で働くことにしたのか尋ねたところ、「経済的安定を得たいと考えたから」が53.8%でトップ。「研究の実用化や社会への直接的な貢献に関心があったから」(22.6%)、「ワークライフバランスが取りやすいと考えたから」(21.2%)と続いた。

「研究活動は向いていないからと考えたから」は20.3%にとどまり、より積極的な理由から民間企業への就職を選択する人が多いことが判明した。

民間企業で働いてみてどうであったか尋ねたところ、「非常に良かった」が31.6%、「どちらかというと良かった」が42.5%。「どちらかというと良くなかった」(15.6%)、「良くなかった」(10.4%)を大きく上回った。

良かったと回答した人(n=157)に、その理由について尋ねたところ(複数回答可)、「経済的安定を得ることができたから」が37.6%でトップ。「社会に貢献できている実感を持つことができたから」(33.1%)、「大学に残るよりもキャリアパスの選択肢が広かったから」(29.9%)、「研究者としての専門性だけでなくビジネスパーソンとしての知識を得ることができたから」(26.1%)と続いた。

一方、良くなかったと回答した人(n=55)に、その理由について尋ねたところ(複数回答可)、「専門知識を過小評価されていると感じたから」(49.1%)「博士課程で学んできたことを活かせないから」(32.7%)がトップ2となった。専門知識を活かせる環境や評価制度に課題があることが判明した。

実際、博士課程での研究分野と現在の業務の関連性について全員に尋ねたところ、「類似している」との回答は18.4%にとどまり、「関連性はない」が37.7%に上った。

調査結果の詳細は以下から見ることができる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000735.000010591.html

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