東大 スタートアップ支援600億円基金など、新指針発表

東京大学は10月1日、同大学が目指すべき理念や方向性をまとめたUTokyo Compass 「多様性の海へ:対話が創造する未来(Into a Sea of Diversity: Creating the Future through Dialogue)」を公表した。大学発のスタートアップに投資する600億円規模のファンド創設や、女性学生の比率増加などを目指す。 

UTokyo Compassのタイトルには、「大学の中だけで活動するのではなく、大学の外の多様な人、組織、地域、国と一緒になって対話をすることを通じ、未来を作っていきたい」という思いが込められているという。 

自律的、創造的な大学モデルを構築するための経営力の強化については、財務や人事などの制度にとどまらず、「公共を担う組織体」としての成長モデルを構築する、としている。経営力強化に関しては、新しい大学モデルの構築のための財務経営本部(仮称)の設置、1000億円規模の法定基金(仮称)の創出などを挙げている。

スタートアップ支援の強化については、同大学が主導する100億円規模相当の出資等を検討する。その他信託方式などの活用を検討して、公的資金も含め、今後10 年間で 600 億円規模の新ファンドの設立を目指すとしている。

藤井輝夫総長は同日に開いた記者会見で、東京大学が学知を生み出し、つなぎ、深めていくために、「知をきわめる」「人をはぐくむ」「場をつくる」という3つの視点から好循環を生み出していく必要がある、とした。

21.10.4news1

UTokyo Compassについて説明する藤井輝夫総長