土浦市、田中鉄工、事業構想大学院大学が産官学連携協定を締結 ゼロカーボンシティ実現へ
茨城県土浦市(安藤真理子市長)、佐賀県に本社を置く田中鉄工株式会社(村田満和代表取締役CEO)、東京都港区に本部を置く学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学(田中里沙学長)の三者は16日、土浦市域におけるゼロカーボンシティの実現に向けた産官学連携協定を締結したと発表した。この協定に基づき、具体的な取り組みとして「ZERO-CARBON TSUCHIURA 事業構想プロジェクト研究」が発足し、2025年6月の開始に向けてプロジェクト研究員の募集が開始される。
2025年4月16日 土浦市役所にて連携協定締結式を実施した。(左から)村田満和田中鉄工株式会社代表取締役CEO、安藤真理子土浦市長、小端進事業構想大学院大学 専務理事
土浦市は2020年に「ゼロカーボンシティ宣言」を表明し、2050年までの二酸化炭素排出実質ゼロを目指している。その実現には行政だけでなく、民間企業の知見や構想力、そして大学の専門性が不可欠との認識があった。田中鉄工は脱炭素社会の実現を経営戦略の中核に据え、バイオマス燃料の活用によるCO₂削減やエネルギーの地産地消に取り組んでいる。一方、事業構想大学院大学は、事業構想に関する独自のカリキュラムを有する社会人大学院であり、地域課題の解決に資する人材育成に強みを持つ。これら三者の見地が一致したことから今回の連携に至った。
発足する「ZERO-CARBON TSUCHIURA 事業構想プロジェクト研究」では、事業構想大学院大学の体系化されたカリキュラムと実務家教員による指導のもと、参加者(研究員)が土浦市の地域資源や課題に触れながら、新たな事業構想の策定に取り組む。この実践的なプログラムを通じて、地域を担う人材の育成や地元企業における新規事業の創出を目指し、産官学連携による土浦市域のゼロカーボンシティ実現を目指す。
今回の連携協定では、以下の項目について協力していくことが定められている。
・ゼロカーボンシティ実現に向けた新たな事業構想に関すること。
・前号に係る人材育成に関すること。
・その他、ゼロカーボンシティ実現に資する事項で、三者が認めること。
また、本プロジェクトの推進にあたり、田中鉄工株式会社から土浦市へ企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)による寄附が行われたことも発表された。この寄附金は、土浦市の地方創生事業に活用される。
土浦市長の安藤真理子氏は「本市では、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指す『ゼロカーボンシティ』を表明しており、このプロジェクト研究が、新たな事業の創出と人材の育成を図る上で重要な役割を果たすと期待している。皆様のご応募をお待ちしています」と述べた。
田中鉄工株式会社 代表取締役CEOの村田満和氏は、「エネルギーの地産地消を軸とした循環型社会の構築を目指し、土浦市の皆様と共に地球環境の保全に向けた実践的な取り組みを進めていきたい。本プロジェクトを通じて、カーボンニュートラルの達成に向けた新たな事業構想が生まれることを心より期待している」と語った。
事業構想大学院大学 専務理事の小端進氏は、「豊かな自然と歴史に彩られた土浦市様の『ゼロカーボンシティ』実現に向けた構想に共鳴し、田中鉄工株式会社様のご賛同を得て、三者連携が実現した。本プロジェクト研究では、実践的な研究を通じて構想を形にする場を提供し、人材育成や地域活性につなげてまいります」とコメントした。
「ZERO-CARBON TSUCHIURA 事業構想プロジェクト研究」では、一般からプロジェクト研究員を公募し、異業種の研究員で構成される予定。実施期間は2025年6月から2026年3月までの全20回で、会場は事業構想大学院大学 東京校、土浦市役所。オンラインとなる。募集人数は10名程度で、参加費は無料(交通費、宿泊費等は自己負担)。
参加対象者は、土浦市をよりよくしたいという熱意を持ち、ゼロカーボンシティ実現に向けた新たな構想や循環型ビジネスの創出、地域課題の解決に意欲のある方で、業種や企業規模は問わない。プロジェクト日程の9割以上に出席できることが条件となる。
プロジェクト研究に関する説明会が、土浦市役所とオンラインで開催される予定。詳細は、事業構想大学院大学のウェブページ(https://www.mpd.ac.jp/events/tsuchiurapj)へ。