iU 2027年度入試より「生成AI活用型」選抜を導入
情報経営イノベーション専門職大学(iU)は9月10日、教育、研究、事務の全領域でAIを基盤とする全学的な方針を導入し、「iUはAI大学になる!」という目標を掲げると発表した。この方針に基づき、2027年度の入学者選抜(2026年度実施)から、総合型選抜において新たに「生成AI活用型」選抜方式を新設する。知識量の多寡を競う従来型の評価から、AIとの協働による課題解決能力を評価する選抜へと大きく舵を切る、先進的な試みだ。
この新しい選抜方式は、AIを単なるツールではなく「共創のパートナー」と捉える同学の理念を反映したものだ。評価の主な項目として、①生成AIを活用した成果物の提出、②プロンプトエンジニアリングの質や工夫、③成果物に対する改善・修正能力、④調査書等の書類審査、⑤iUの教育理念・育成方針への理解を確認する面接を挙げており、知識量の多寡を競う従来型の評価から、AIをいかに論理的かつ創造的に活用できるかを問う評価へと転換する。これは、2021年度にPCやスマホの利用を許可した「デジタル入試」を他大学に先駆けて導入したiUが、さらに一歩進めた入試改革となる。
学校法人電子学園 iU情報経営イノベーション専門職大学の校舎外観。プレスリリースより
今回の発表は、単なる入試改革に留まらない。iUは「AI大学」となるべく、2025年度内に具体的なアクションを実装する計画だ。教育面では全授業・全教員・全学生が生成AIを利用し、研究面では全プロジェクトでAIを利用するとともに、医療、運輸、エンタメ、ロボット、教育など多岐にわたる分野でAIプロジェクトを推進。さらに事務分野では「AI学長」を開発して業務を遂行させ、DXとAIの同時進行により業務変革と業務時間30%減を目指すという野心的な目標も掲げている。
生成AIの活用が社会で不可欠なスキルとなる中、iUの今回の決定は、大学教育が評価すべき能力とは何かを改めて問い直すものだ。AIとの共創を前提とした人材育成と、それを測るための入試制度の設計は、今後の大学改革の方向性を示す重要な試金石となりそうだ。