AI倫理と異分野融合知を学ぶ北海道大のリカレントプログラム

北海道大学は社会人向け教育プログラムとして、2023年度から「『AIと人間社会』プログラム」を開講した。 人間知×脳×AI研究教育センターの下で推進される北海道大学のリカレント教育について、センター長の田口茂氏に話を聞いた。

「AI倫理」を学ぶ必要性とは?

田口 茂

田口 茂

北海道大学 人間知×脳×AI研究教育センター長・大学院文学研究院 教授
早稲田大学第一文学部卒業、同大学院文学研究科修士課程修了、同研究科博士後期課程、早稲田大学第二文学部助手を経て渡独、ヴッパータール大学哲学科博士課程修了(Dr.phil.)。山形大学地域教育文化学部准教授、北海道大学大学院文学研究科准教授を経て、現職。主な研究分野は西洋近現代哲学(特に現象学)、意識の学際的研究、日本哲学。近年は神経科学・数学・ロボティクス・AIの研究者と共同で「意識」の学際的研究に取り組んでいる。

北海道大学の人間知×脳×AI研究教育センター(通称CHAIN)は、人文社会科学・脳科学・AIという3つの異質な知が交差する文理融合型の学際的研究と、それに基づく大学院レベルでの教育を行うことを目的に、2019年に設立された。

23年度には、文部科学省の採択を受け、CHAINによる新規の社会人向け教育プログラムとして、24年1月から3月の期間で「AIと人間社会」プログラムを開講した。

本プログラムは、AIについて、哲学・心理学・情報科学そして工学という異分野融合の観点から切り込むものだ。CHAINセンター長であり、本プログラムでAI倫理の講義を担当する田口茂氏は、その重要性をこう話す。

「AIが我々の生活の身近なところに入り込むようになり、…

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