森林を未来につなぐ資源として 時代に流されず、森をよみ、育む力

愛媛大学農学部は社会人を対象に「森林環境管理学リカレントプログラム」を開講し、森林管理に関わる実践的な教育を展開。あわせて、森林経営管理法に基づき2019年度に始まった「新たな森林管理システム」の指導・運営に携わる人材の育成にも取り組んでいる。

森林関連の幅広い領域を
多角的に学べる教育を実施

川﨑 章惠

川﨑 章惠

愛媛大学 大学院農学研究科 准教授
博士(農学)。九州大学21世紀プログラム課程卒業。同大学大学院農学研究院助教を経て2022年3月より現職。森林・林業に関わる政策や経済、特に林業労働問題が専門。主な著書に『「緑の雇用」のすべて』日本林業調査会(共著、2015年)。

愛媛大学は全世代対応型の「地域における知の拠点」を方針の一つとして、地域協働推進機構や学部・大学院を中心に、地域創生イノベーター育成プログラム、柑橘産業人材育成プログラムなど多数のリカレントプログラムを通じて地域での社会人教育に取り組んでいる。

「森林環境管理学リカレントプログラム」の前身は、科学技術振興機構(JST)の助成を受けて2011年度にスタートした。森林生態から木材生産、木材利用、木造建築、森林サービス産業まで、幅広い知識を学ぶ場を提供。講師には第一線で活躍する有識者や実務者も迎え、実践的な教育を行っている。「SDGs」の達成や、2050年のカーボンニュートラル社会実現が世界的な課題となるなか、国内では2019年に森林経営管理法が施行され、森林環境税や森林環境譲与税が創設された。

森林環境譲与税は適切な経営管理が行われていない森林を市町村が森林所有者の委託を得て、林業経営に適した森林は民間事業者に再委託し、経営が成り立たない森林は市町村が実施する間伐などの「森林整備に関する施策」に充てるとされている。また、都道府県はこれを財源に、森林整備を行う市町村の支援等を行っている。

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