65%の企業がリカレント・リスキリング教育を実施 経団連調査

一般社団法人日本経済団体連合会(経団連、参考記事)は1月17日、「2022年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」を公表した。

本調査は春季労使交渉・協議の結果や、人事・労務に関するトップ・マネジメントの意識・意見などを調査するため、1969年から毎年実施されているもので、調査の結果は主に「経営労働政策特別委員会報告」(経労委報告)の重要な参考資料として活用されている。

調査対象は経団連会員企業(計1,512社)の労務担当役員等で、2022年9~11月の期間に行われ、回答社数は387社(回答率25.6%)。このうち集計可能な374社が集計対象となった。

調査項目は「労使交渉・協議等における議論と結果」「働き方改革」「エンゲージメント」「テレワーク」「高齢者雇用」「正社員登用」「リカレント・リスキリング教育」「採用方法の多様化」の9テーマで、回答社の内訳は下記の通り。

産業別:製造業178社(47.6%)、非製造業196社(52.4%)
規模別:従業員500人以上320社(85.6%)、500人未満54社(14.4%) 

「リカレント・リスキリング教育」においては、リカレント・リスキリング教育の実施状況に関する質問では、「実施している」と回答した企業が65.1%(n=372)に上り、「実施を検討中」が19.6%となり、学び直しを実施、または検討している企業が8割超となった。一方で「現在は実施しておらず、今後も実施する意向はない」と回答した企業も18.0%見られた。

「実施している」「実施を検討中」と回答した企業を対象に、外部組織が提供する汎用的プログラムの利用状況を尋ねた質問(複数回答)では、「人材育成サービス企業が汎用的に提供するプログラム」が「利用している」82.8%、「今後利用する予定」69.7%でともに最多。次に、「大学等が汎用的に提供するプログラム」を「利用している」51.1%「今後利用する予定」37.0%が続いた。

また、「リカレント教育等を大学と連携・協働する際の課題、行政への期待」という質問に対して、課題(3つまでの複数回答)に上がったのは「連携・協定先となる大学・企業の選定に必要な情報が不足」(63.7%)「コーディネート人材が不足」(61.5%)で、行政への期待についても同じ項目が53.8%、48.7%と回答を集めた。

同調査ではこの他にも、学び直し支援のための実施施策等についても質問を行っており、回答からは各社が試行錯誤しながらリスキリング・リカレントに取り組んでいる様子がうかがえる。

調査結果の全体は下記より閲覧可能。
http://www.keidanren.or.jp/policy/2023/003.pdf

23.1.18news1

リカレント教育等を大学と連携・協働する際の課題、行政への期待(経団連・2022年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果より)