新たな価値を生む輝かしい失敗とは 失敗への恐れはイノベーションの大敵

「失敗は成功のもと」「失敗を恐れるな」と言われるが、誰でも失敗はしたくないものだ。イノベーションにつきものの失敗に対して、どのように捉えチャレンジしていけば良いのか。失敗の本質とイノベーションの評価について追求する。

輝かしい失敗とは
失敗の2つの定義

紺野 登

紺野 登

多摩大学大学院 教授
経営情報学博士。専門は知識生態学。エコシスラボ株式会社代表、慶應義塾大学大学院SDM研究科特別招聘教授、(一社)Japan Innovation Network(JIN)Chairperson理事、(一社)Future Center Alliance Japan(FCAJ)代表理事。著書に『イノベーション全書』、『知識創造経営のプリンシプル』、『構想力の方法論』『ダイナモ人を呼び起こせ』(共著)など多数。

「失敗にはネガティブなイメージが根強いですが、それはイノベーションにとって禁物です」。ポール・ルイ・イスケの著書『輝かしい失敗の研究』の邦訳『失敗の殿堂』を上梓した多摩大学大学院教授の紺野登氏は、こう指摘する。

イスケはオランダのマーストリヒト大学ビジネス・経済学部の教授で、2010年に輝かしい失敗研究所(Institute for Brilliant Failures)を設立した。研究所でのイスケの肩書は「最高失敗責任者(Chief Failure Officer・CFO)」だというから、日本の失敗に対する感覚とはだいぶ異なることがわかる。

(※全文:2109文字 画像:あり)

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