イノベーターの放牧地・慶應鶴岡 脱・優等生主義でベンチャー創出
2001年の開設以来、多くのベンチャー企業を輩出してきた慶應義塾大学の先端生命科学研究所。企業人等の派遣も受け入れながら、旧来型の優等生とは一線を画す人材を育成している。ゼロベースでイノベーターを育てる“鶴岡モデル”の理念と構想とは。
失敗しても拍手喝采
鶴岡に脱優等生の集積地
冨田 勝
2017年6月にForbes Japan誌の「日本を面白くするイノベーティブシティ・ランキング」で全国第3位となった山形県鶴岡市。20年前は田んぼだらけだった場所が、いまや日本屈指のサイエンスパークへとなった契機は、2001年に慶應義塾大学が先端生命科学研究所(Institute for Advanced Biosciences、以下IAB)を開設したことだった。湘南藤沢キャンパス(以下、SFC)の立ち上げにも携わり、同研究所で所長を務める冨田勝氏は、首都圏から遠く離れた山形にキャンパスがある意義について、こう説明する。
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