野生化するイノベーション 新事業を創出する環境整備

早稲田大学の清水洋教授は、ビジネスチャンスに向かって創出されるイノベーションを野生に喩え、それを管理する、つまり「飼いならす」のは難しいという。ではそれらをどのように「繁殖」させ、イノベーションの破壊性にはどう対応すべきだろうか。

スキル開発では
イノベーターは生まれない

清水 洋

清水 洋

早稲田大学商学学術院 教授
一橋大学大学院およびノースウエスタン大学大学院の修士課程修了後、2007年にロンドン・スクール・オブ・エコノミックス・アンド・ポリティカルサイエンスにて博士号。アイントホーフェン工科大学(オランダ)を経て、2008年から一橋大学イノベーション研究センターにて講師、准教授、教授。2019年から現職。

──イノベーションを促進するためには、どのように人材育成に取り組むべきでしょうか?

一般的にイノベーション人材の育成と言うと、「何か特別なスキルがあり、そのスキルを伸ばすべきだ」と考えがちですが、実はイノベーション人材に必要なスキルや資質に関しては体系的な研究がなされていません。というのも、イノベーション促進のために重要なのは、特定のスキル開発ではなく、制度やインセンティブの設計である、というのがイノベーション研究での基本的な考え方になっているからです。

(※全文:2364文字 画像:あり)

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