COP26の若者取材にみる、「脱炭素革命」を実現できる人材づくり

脱炭素は、未来の地球を生きる次世代の問題でもある。昨年開催されたCOP26には、日本の若者たちも参加した。彼らは何を感じたのか、そして日本の教育界や社会に求められる姿勢は何か、現地で取材を行った堅達氏にレポートいただく。

COP26が突きつける
「1.5℃」時代

堅達 京子

堅達 京子

1988年、NHK入局。NHK環境キャンペーンの責任者を務め、2021年より現職。気候変動をテーマにNスペ「2030 未来への分岐点」など多くのドキュメンタリーを制作。新著に『脱炭素革命への挑戦』(山と溪谷社)

11月に産業革命発祥の地イギリス・グラスゴーで開催されたCOP26。国際社会は気候危機を食い止めるため、1.5℃に気温上昇を抑えることを本気でめざすと決意した。2050年カーボンニュートラルが必須の1.5℃は、いわば人類の防衛ライン。超えれば、異常気象や温暖化の暴走リスクが著しく高まる。だが科学者は早ければ2030年よりも前に到達すると警告。世界中で脱炭素革命を加速させなければ、私たちの未来はない。

筆者は、成人の日のドキュメンタリーのためにCOP26に参加した日本の若者たちに密着取材。脱炭素時代の人材づくりへのヒントを得た。

開催地イギリスは、2008年に世界初の気候変動法を制定し、学校現場でも気候変動やエネルギー問題の教育を続けており、市民の関心は高い。11月5日と6日には、グラスゴーで約3万人と10万人が参加する大規模な気候マーチが行われ、多くの市民が小さな子ども連れで街を練り歩き、2階の窓から手作りの垂れ幕で応援する人もいる熱気だった。日本の若者たちは、参加者が極めて少ない日本の現状との差を痛感したが、一番決定的な違いは、「声を上げてもいいんだ」という安心感だったという。

(※全文:2153文字 画像:あり)

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