絆を感じ、本物に触れ、高い志を培う『秀才の野人』を生み出す全人教育

天王寺高等学校は、大阪府が2011年に「グローバルリーダーズハイスクール(GLHS)」に選定した10の府立高校の中で、常に最高評価を獲得してきた。同校ではどのような教育理念のもと、質の高い教育が行われているのか。校長の吉岡氏と教頭の高江洲氏に話を聞いた。

「秀才を誇らず野人を誇る」が、天高生のモットー

高江洲 良昌・吉岡 宏

高江洲 良昌(写真左)

大阪府立天王寺高等学校 教頭
1989年より府立高校で教鞭をとる。1999年8月より2000年3月までオーストラリア、ノーザンテリトリー・アリススプリングスで日本語教師として勤務。2018年度より現職。


吉岡 宏(写真右)

大阪府立天王寺高等学校 校長
2004年度まで府立高校で教鞭をとる。2005年度から定時制課程教頭を勤めたのち、2008年度から大阪府教育委員会事務局勤務。2015年度大阪府立渋谷高等学校長、2017年度より現職。

「来タレ、野人。」

天王寺高等学校の学校紹介パンフレットの表紙には、こう書かれている。いつの頃からか、同校生徒の気質を表す言葉として語り継がれてきたモットーは、「秀才を誇らず野人を誇る。名門を言わず実力を問う。明朗にして適度に楽しむことを忘れない」。このモットーに込められた意味を表し、受験生へ一言で呼びかけたメッセージだ。

1年生は、入学すると2つの名物行事で『野人化』への一歩を踏み出す。一つは希望者を対象にして、7月に福井県小浜市で2泊3日で行われる「水泳訓練」。習熟度別に班に分かれ、泳げない班は泳げることを目指し、最終日に…

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