聴覚障害者のためのリカレント教育 共生社会実現力を育成

視覚・聴覚障害を持つ学生が学ぶ筑波技術大学では、令和3年度文部科学省「DX等成長分野を中心とした就職・転職支援のためのリカレント教育推進事業」に採択され、「聴覚障害者のための共生社会実現力育成プログラム」を実施した。同大学教授の河野純大氏に特徴や手応えを聞いた。

RPAなどDXスキルや
ビジネススキルを提供

河野 純大

河野 純大

筑波技術大学 産業技術学部 総合デザイン学科 教授
博士(学術)。専門分野は福祉情報工学で、現在の主要な研究は遠隔情報保障におけるヒューマンインタフェース。筑波技術短期大学電子情報学科情報工学専攻助手、筑波技術大学産業技術学部助教授、准教授を経て、2023年度から現職。

筑波技術大学は聴覚障害、視覚障害者のための唯一の国立大学。学部生は全員、視覚障害や聴覚障害のある学生たちだ。学士を取得し就職できる聴覚・視覚障害者を送り出すことを目的に設置され、現在では社会人になった卒業生の職場定着のサポートにも取り組む。リカレント教育には早くから力を入れてきた。河野氏は、同大学で15年以上リカレント教育に尽力してきたひとりだ。

「セミナーを受けたり、スキルアップを目指して学校に通ったりしたくても、手話通訳や文字通訳などの情報保障がないので、社会人になってからは学びの機会がなかなか得られないと卒業生や聴覚障害がある社会人の方々から相談されることが多くありました。この声を受け、リカレント教育を開始しました」

学びへの意欲が高まる背景には、…

(※全文:2298文字 画像:あり)

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