能力を成果につなげる「第三の資本」─人を動かす4つの要素─

知識やスキルだけでは人は動かない。多様な雇用形態が広がる今、人的資本・社会関係資本に続く新たな概念として心理的資本が注目されている。

人的資本と社会関係資本、
その先にある第三の資本

開本 浩矢

開本 浩矢

大阪大学大学院 経済学研究科 教授
兵庫県立大学名誉教授。1969年広島県生まれ。大阪大学経済学部卒業後、神戸大学大学院経営学研究科に進学。博士(経営学)。専門はクリエイティビティ・マネジメント、組織行動論、人的資源管理論。日本心理的資本協会理事。著書に『クリエイティビティ・マネジメント 改訂版』(白桃書房)、『心理的資本をマネジメントに活かす』(中央経済社、共著)、訳書に『こころの資本─心理的資本とその展開』(中央経済社)など。

企業における人材育成は長らく、人的資本と社会関係資本という二つの視点から語られてきた。人的資本とは、個人が保有する知識やスキル、能力といった専門性であり、教育や研修によって蓄積されるものとされる。知識量が豊富で高度なスキルを持つ人材ほど高い付加価値を生み出すと考えられ、企業は優秀な人材の採用や育成に力を注いできた。一方、社会関係資本は人間関係や信頼、ネットワークといった社会的つながりを指し、豊かな人間関係を持つ人ほど就職しやすく、人生満足度やウェルビーイングが高まることが研究によって示されている。ただし、強固すぎる関係性は逆効果になることもあり、広く浅いネットワークの方が価値を生むとされる。

(※全文:3674文字 画像:あり)

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