オンライン授業の利点など令和3年度「全国学生調査」結果を公表 文科省

文部科学省は10月21日、全国の大学生を対象に、大学で受けた授業の状況、知識や能力が身についたかなどを聞いた令和3年度「全国学生調査(第2回試行実施)」の調査結果を公表した。 

「全国学生調査」は、全国共通の質問項目(全60問)により、大学教育や学びの実態を把握し、大学の教育改善や国の政策立案など、大学・国の双方において様々な用途に活用することを目的として実施。今回の調査は、2019年度の第1回試行実施に引き続き、適切な調査方法や質問項目などを整理・検証するため、試行という位置付けで実施された。

調査対象は、試行実施に参加意向のあった582 大学に在籍する学部2年生(約47万人)及び4年生等(約48 人)、並びに参加意向のあった短期大学157校に在籍する2年生以上(約 2.5万人)で、11万人超の学生から回答があった。

調査結果によると、2020度と2021年度に受けた授業のうち、同時双方向型オンライン授業/オンデマンド型オンライン授業の割合に関して、同時双方向型オンライン授業は、2020度は4割以上が48%だったが、2021度は35%であった。また、オンデマンド型オンライン授業は、2020度は4割以上が52%だったが、2021年度では30%だった通り、オンライン授業の割合は低下傾向にある。 

また、これまでに受けたオンライン授業(同時双方向型/オンデマンド型)の、対面授業と比べて良かった点・悪かった点(複数選択)の問には、対面授業と比べて良かった点に関し、同時双方向型は「自由な場所で授業が受けやすい」が最も多く、次いで「自分のペースで学習しやすい」「レポート等の課題に取り組みやすい」等の回答が多かった。続いて、オンデマンド型では「自分のペースで学習しやすい」、「自由な場所で授業が受けやすい」、「レポート等の課題に取り組みやすい」の順で回答が多かった。

一方、対面授業と比べて良くなかった点に関し、同時双方向型は「他の学生とのやりとりがしにくい」、「映像・音声や通信環境の影響で授業が受けにくい」、「疲労を感じやすい」等の回答が多く、オンデマンド型では「教員とのやりとりがしにくい」、「他の学生とのやりとりがしにくい」、「レポート等の課題が多い」の順で回答が多かった。

文部科学省は、今後、大学における「学修者本位の教育への転換」をするための施策の検討の参考資料とするとともに、今回明らかになった調査実施上の課題を踏まえ、「全国学生調査」の本格実施に向けた検討を行うとしている。なお、調査結果は下記、URLで確認できる。
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/chousa/1421136.htm

22.10.25news1

令和3年度「全国学生調査(第2回試行実施)」(文科省)