文科省、国立大学法人の戦略的経営実現に向けた最終取りまとめを公表

文部科学省は12月25日、国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議において取りまとめた検討結果を公表した。

同検討会議は、国立大学と国との自律的契約関係を再定義し、真の自律的経営に向けて、国立大学法人法等関連法令の改正や新規創設を含めて検討を行うもの。2月から11回に渡って実施され、「国立大学法人の戦略的な経営実現に向けて~社会変革を駆動する真の経営体へ~」として最終の取りまとめが公表された。

国は国立大学法人に負託する役割や機能の発揮ができる環境構築に責任を持つとともに、法人が自らの裁量で機能を拡張できるよう、規制による事前管理型から事後チェック型へ移行するため、新たな枠組みである自律的契約関係を構築するべきと主張した。また国立大学法人は、多様なステークホルダーを巻き込んだ大学経営モデルを構築するため、活動成果の可視化や情報公開による透明性の確保、さらに外部の視点を取り入れた評価の多元化を講ずるべきとされた。

国立大学法人と国の自律的契約関係については、「中期目標・中期計画の在り方」「評価の在り方」「エンゲージメントの在り方」「内部統制に係る組織の在り方」「会計制度・会計基準」「人事給与マネジメント」の見直しが提言された。また国立大学法人の経営裁量の拡大を可能とする規制緩和については、おもに先行投資財源の確保とその循環拡大、定員管理等の柔軟化の2点について検討された。

検討会議は今後、組織の新陳代謝やリソースの戦略的再配分を可能とする経営力の実行性を高めるとともに、ステークホルダーへの徹底した情報公開と厳しいモニタリングを通じて資金循環を駆動させ、大学経営のニューノーマルを日本発モデルとして創出することを期待するとしている。

20.12.30news1