パーソルBPD社長 「教育と実践の両輪」で人材不足時代の正解に挑む
昨今深刻さを増す労働力不足の中、企業は人材不足と人材教育にどう向き合うべきか。BPO サービスを展開するパーソルビジネスプロセスデザイン株式会社の代表取締役社長・市村和幸氏に話を聞いた。
次なる一手としての企業統合

市村 和幸
パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
代表取締役社長
パーソルテンプスタッフにて、入社以来派遣営業及び企画営業を経て、金融部門を6年担当したのち、人事部門を6年担当。パーソルグループの再編・統合、人事制度改定、はたらき方改革などに取り組む。2021年より同社 取締役執行役員に就任し、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)領域を管掌。その後、2023年4月より、パーソルホールディングス株式会社の執行役員 BPO SBU長及びパーソルビジネスプロセスデザイン株式会社(旧 パーソルプロセス&テクノロジー株式会社) 代表取締役社長に就任。
「はたらいて、笑おう。」をビジョンに掲げ、人材サービスを中心とした事業を多角的に展開するパーソルグループ。パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社は、2024 年10月に同グループ内のBPO事業を統合して立ち上がった新会社だ。「急速に変化する社会環境に対応するための統合です。各社が持つリソースやテクノロジー、人材サービスの強みを掛け合わせることで、顧客に提供できる価値を高めることが最大の目的でした」同社代表取締役社長の市村和幸氏は統合の意義を強調する。
統合によるシナジーは早くも形になりつつあるという。「専門性を結集し、人材・技術・ノウハウを一元化することで、効率性を向上させることができました。これにより、従来展開してきたBPOのサービスに加え、デジタル技術を活用し、多様化する顧客ニーズに応えられる新たなソリューションも展開できるようになっています。当初は不安や課題もありましたが、考え抜いて挑戦した結果だと思っています」市村氏は手応えを語る。また、統合の背景としてあるのは年々深刻さを増す人材不足もあったという。
人材不足に苦しむ企業が増加
「長きにわたる人口減少からくる人材不足問題は国の大きな課題として認識すべきですが、これから急に改善することはないでしょう」と市村氏。特に「地方や中小企業の人材不足は、かなり深刻になってきている」と続ける。「業績は好調なのに、人材が確保できないことで業容を拡大することができず苦戦を強いられる会社が出てきています。そんな中で我々は中小・中堅企業のニーズに応えるべく、きめ細やかなサービスを提供できる事業の拡充にも力を入れています」
一方で、大手企業が抱える人材に対する課題やニーズの変化も感じているという。「これまではコストダウンが主なニーズの一つでしたが、現在は人材が持続的に確保できないと業務の継続性が危ぶまれるため、効率化を進めながら業務の持続性を高めたいというご相談をいただく機会が非常に増えてきています」
教育と実践の両輪で
人材育成を強化
人材を軸にサービスを展開する同社内の人材育成はどのように取り組んでいるのか。「統合したばかりで諸々の整理をしながらなので、まだまだこれから始めることばかりです」と前置きしつつ、特に意識をしているのは「教育と実践」を融合させるアプローチだと市村氏は語る。
「教育だけでは、学んだだけではスキルは身につきません。もちろん座学や読書によって得られる知識が重要であるのが前提ですが、そこに実践が乗っかってくることによって、得た知識や追体験が自分の経験として血肉となり、身についていく。どちらか片方だけでは足りず、学びと実践の両輪で定着させていくことが重要なのです」
(※全文:2398文字 画像:あり)
全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。