ベネッセ・小林社長インタビュー DX加速と学びのモチベーション向上

「進研ゼミ」のみならず、近年では社会人のDX人材育成にも力を入れるベネッセ。自ら学びに向き合える子どもが減るなど大きな社会変化の中で、一人ひとりの成長に寄り添うパーパスを掲げている。変革を続ける同社のパッションに迫った。

教師だった創業者の思いを、今に受け継ぐ DNA

──事業化が難しいとされる教育分野で、御社が成功をおさめられた要因は何だと思われますか?

小林 仁

小林 仁

株式会社ベネッセホールディングス 代表取締役社長 COO
株式会社ベネッセコーポレーション 代表取締役社長
1960年岡山県生まれ。1985年に福武書店(現ベネッセホールディングス)入社。2000年ベネッセケア(現ベネッセスタイルケア)取締役、2007年同社社長。2012年ベネッセホールディングス取締役、2016年に同社副社長 兼 ベネッセコーポレーション社長を経て、2021年4月より現職。

逆説的な言い方ですが、そもそも「教育を事業として成功させること」を第一義にしてこなかったことが、結果、功を奏したのではないでしょうか。というのも、当社創業者である福武哲彦自身が教師でしたから。子どもたちに今、どのような教育が必要なのかをとことん考え抜いて実現する――その姿勢が創業以来の DNA として脈々と受け継がれ、今日の当社の礎となっていることは間違いありません。

今でこそ、ベネッセといえば個人の学びを支援する通信教育のイメージが一般的ですが、1955年に前身の福武書店が誕生した当初は、学校向けの生徒手帳の発行等からスタートしています。そして、1962年に岡山県内と周辺の学校を対象に…

(※全文:2307文字 画像:あり)

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