ツムラ・加藤照和社長が語る「理念は、組織と社員を導く北極星」
10年単位の長期ビジョンを掲げ、理念経営や人的資本経営の文化醸成に力を入れる漢方薬大手のツムラ。同社が捉える人的資本の役割と理念経営に力を入れる背景、理念の先にある事業展開について、社長の加藤照和氏に話を聞いた。
人と組織の資本が支える
10 年単位の経営ビジョン

加藤 照和
ツムラ 代表取締役社長CEO
1963年、愛知県生まれ。86年、中央大学商学部を卒業後、株式会社津村順天堂(現株式会社ツムラ)入社。経理部などを経て、1999年より米国駐在。2001年には米国子会社 TSUMURA USA,INC.取締役社長に就任。また同年、複数の日本企業が出資する合弁会社Pacific Marketing Alliance, Inc.の取締役社長にも就任。2006年に帰国し、株式会社ツムラ広報部長、2007年に理事コーポレート・コミュニケーション室長、2011年取締役執行役員コーポレート・コミュニケーション室長を経て、2012年6月に代表取締役社長に就任。現在、代表取締役社長CEO。
── 中期経営計画(中計)ではFY2022-2024を「発芽のフェーズ」とされていますが、その意図についてお聞かせください。
当社グループでは、2031年度を最終年度とする長期経営ビジョン「TSUMURAVISION “Cho-WA” 2031」を策定し、その中で「健康とサステナブルな社会への貢献」「海外売上高比率50%以上」「ヘルスケア領域事業比率50%以上」「労働生産性2倍以上」「グローバル経営人財と社内起業家の養成」という骨太方針5項目を掲げています。これらを10年後のありたい姿として捉え、その最初の3年間にあたるのが現・中計です。
「発芽のフェーズ」と位置付けたのは、これまでに進めてきた理念経営やコーポレートガバナンス体制の強化といった下地を活かして、新たな挑戦が大きく芽吹く時期にしたいという意図からです。

同社の原点となる製品「中将湯」のパネルの前で。当時の社名は「津村順天堂」。順天とは、中国の古典「易経」に記された言葉で、「天の意志に順(したが)い、人々の願いに応える」という教えに基づいている。
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