小・中・高の学びをつなぐ、「キャリア・パスポート」の意義と役割

2016年の中教審答申で、学びのポートフォリオ的な教材として位置づけられた「キャリア・パスポート」。過去の学びを振り返り、将来へつなぐ教材として、学校現場や教員はどう運用・活用していくべきか。文部科学省 国立教育政策研究所の長田徹氏に聞く。

活動を記録し蓄積する教材
「キャリア・パスポート」

長田 徹

長田 徹

文部科学省 初等中等教育局教育課程課教科調査官、同児童生徒課生徒指導調査官/国立教育政策研究所 教育課程研究センター教育課程調査官(併)生徒指導・進路指導研究センター総括研究官
宮城県・仙台市公立学校教諭、仙台市教委員会指導主事などを経て、2011年5月より文部科学省。2013年4月より現職。教員養成に関する中央教育審議会の部会委員を務める。

自己肯定感の低さや社会参画意識の低さは、日本の若者を取り巻く問題の一つ。一ツ橋文芸教育振興会と日本青少年研究所の行った意識調査では、自分を『価値のある人間』と評価する日本の高校生の比率は、米国、中国、韓国に比べ圧倒的に低く、『自分はダメな人間』と評価する高校生の比率は圧倒的に高くなっている。また、『自分の参加で社会現象を変えられる』と考える中学生・高校生の比率も、海外に比べかなり低くなっている。

日本の子どもたちの自己肯定感や社会参画意欲の低さは何に起因するのかといった議論から、新学習指導要領の前文には『1人1人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識する』ことの重要性を記載。その一つの手段として、児童生徒が自分で学習を見通したり、振り返ったりする活動を大切にしていくといった方針が示されている。

(※全文:2252文字 画像:あり)

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