DXに向けた企業のリスキル、二極化する企業の成否を分ける「目的意識」

日本企業のDX推進におけるリスキリングの広がりには遅滞が見られ、その取り組み状況は二極化している―。昨年末に公表されたリクルートの調査結果では、このような実態が明らかになった。調査結果を分析したリクルートHR統括編集長の藤井薫氏に、現状や今後の可能性について聞いた。

日本企業のDX推進における
リスキリングの遅滞と二極化

藤井 薫

藤井 薫

株式会社リクルート HR統括編集長
1988年、株式会社リクルートに入社。以来、人と組織、テクノロジーと事業、今と未来の編集に従事。『B-ing』、『TECH B-ing』、『Digital B-ing(現『リクナビNEXT』)』、『Works』、『Tech総研』の編集、商品企画を担当。『TECH B-ing』編集長、『Tech総研』編集長、『アントレ』編集長・ゼネラルマネジャーを歴任。2016年、『リクナビNEXT』編集長に就任(現職)、2019年にはHR統括編集長を兼任(現職)。

リクルートでは昨年12月、『人的資本経営と人材マネジメントに関する人事担当者調査(2021)』の結果をまとめた。調査は全国の人事業務関与者を対象に行い、3,007人から回答を得た。調査結果では、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進におけるリスキリングの広がりの遅滞と、二極化の実態が明らかになった。

「DXはあくまでも手段で、その目的や、あるべき姿が明確になっている企業は、その姿や顧客体験向上のためにDXを進めることになります。まずは目的が重要で、目的が明確であるかどうかの差が二極化の原因になっていると感じます」

藤井氏は調査結果について、このように分析する。whyという目的が明確でなければ、スキルや企業のケイパビリティなど何を具体的に向上させるかというwhatも不明確になる。すると、最終的にhowという実施の推進力も得られなくなってしまう。また、目的が仮に明確でも、そこにコミットする度合いが高い企業と低い会社があることが、二極化を生み出していると考えられる。

(※全文:2023文字 画像:あり)

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