IT業界に学ぶデジタル人材の育成 「学び続ける社員」をどう育てる?

今やあらゆる領域で欠かせないデジタル技術。DXの必要性が叫ばれるなか、デジタル人材をいかに育成していくべきか、技術の進歩の早いIT業界における人材育成・リスキリングの事例を参考に、学び続ける社員の育て方を探ってみたい。

現場主体のAI勉強会を発端に
全社員にAI研修を導入

中久木 健大

中久木 健大

株式会社エイチーム 人事部 部長
SBヒューマンキャピタル株式会社へ新卒入社後、ソフトバンク株式会社に転籍し、人事キャリアをスタート。技術組織の人事担当を経て、新卒採用担当としてエンジニア採用に従事。2016年にエイチームへ入社し、採用や制度企画等を経て、人事企画、労務のマネジャーを歴任。現在はエイチームグループ全体の人事機能を統括。

ゲームアプリや比較情報サイトの企画開発・運営を行うエイチームでは、2020年8月より非エンジニアを含む全社員に対し、AI基礎研修の実施に踏み切った。きっかけは、2016年にゲームプランナーとして新卒で入社した社員が同年から始めたAI勉強会だった。これを機に社内でAI活用の機運が高まり、2018年6月には全社横断プロジェクト『AI WORKING GROUP(AWG)』へと発展。当初は事業部を越えた情報共有がメインだったが、導入したAI企画で事業のKPIが大幅に改善したことで、経営陣もAIに関心を寄せるようになった。その後、同社社長の林高生氏があるAI学習講座を独自で受講した際に、非エンジニアもAIの知識やスキルを習得することがビジネス展開に有用であると実感したという。

「林としても『リスキル』という言葉が注目される以前から、AIを活用したマーケティングにより業務の効率化と広告の成約率を高めたいとの思いがありました。AWGでAI導入の成果が蓄積されてきたことも奏功し、林が受講した学習講座をベースに、多様な職域向けにアレンジしたAI研修を実施するに至りました」とエイチーム人事部長の中久木健大氏は話す。

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