10兆円大学ファンドに係る特定研究大学のガバナンスを議論 文科省

文部科学省の「世界と伍する研究大学の実現に向けた制度改正等のための検討会議」は10月14日、第2回会議をオンラインで開催し、特定研究大学(仮称)に求められるガバナンス等について議論が行われた。

政府は10兆円規模の大学ファンドを創設し、その運用益を活用した支援として、世界と伍する研究大学に向けた高いポテンシャルを有する大学への支援や、博士後期課程学生などの若手人材育成等に取組む大学への支援などを想定している。大学ファンドの創設に関しては、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議の「世界と伍する研究大学専門調査会」が検討を進めており、2021年8月に同調査会が公表した「中間とりまとめ」において「実際の制度改正等の在り方については、関係府省庁で検討を行い、本専門調査会の最終とりまとめに反映していく」としている。今回の文科省での検討会議はこの記載を踏まえて設置されたもの。

「中間とりまとめ」では、「既存の大学制度と異なる形で政府との関係が構築される必要があることや、その実現に向けて大学ファンド(仮称)をはじめとした施策を一体的に進めていくことが必要であり、既存の国立大学法人制度、公立大学・公立大学法人制度、学校法人制度の特例として、トップクラスの『世界と伍する研究大学』に特化した仕組み(特定研究大学制度(仮称))を構築することが適当である。」とされている。

検討会議では、事務局側から特定研究大学(仮称)に求められるガバナンスのイメージが示された。参加した委員からは、合議体の「構成員の相当程度は学外者」との記載に関して、これまでの議論の方向性よりトーンが弱まっているのではないかといった指摘や、合議体の権限の記載はあるが、責任についての記載も必要ではないか、議長は誰が担うのかといった意見が相次いだ。また、別の委員からは大学の自治との関係は、この検討会議の中でも検証が必要だとの声も上がった。同検討会議は引き続き議論を行い、最終的な議論の結果が内閣府の専門調査会の最終とりまとめに反映される見通し。検討会議の資料等は下記を参照。

https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/mext_00282.html

21.10.18news1

文科省「世界と伍する研究大学の実現に向けた制度改正等のための検討会議」第2回の資料から抜粋