リスキリングへの取り組みは二極化、勤続年数長いほど消極的 民間調査

組織開発・人材育成コンサルティング支援を行う株式会社NEWONE(東京都千代田区、代表取締役:上林 周平、参考記事)は、「リスキリング」に関するネットアンケート調査を実施し、その結果を公表した。

本調査では「リスキリング」を、新しいスキルや能力の習得を推進する取り組みとして、動画学習・書籍学習・資格取得・副業/兼業やプロボノなどのボランティア活動も含むものと定義。2022年12月9日~11日の期間、20〜50代の800名から回答を集めた。

「Q1.リスキリングに興味があるという方にお聞きします。現在具体的に何かされていますか。」(やっている/やっていない/やりたいが一歩が踏み出せない の3択)という質問に対し、「やっている」と回答したのは30代の43.5%が最多。20代は28.3%、40代は17.1%と続き、最下位は50代の14.3%。同回答を勤続年数別で見ると、8年未満では、リスキリングを「やっている」との回答が約3割であるのに対し、8年以上では18.4%に留まることもわかった。

「Q3.なぜリスキリングを始めましたか。」という質問に対しては、「現在の仕事を広げるため」、次いで「長く働き続けるため」、「昇格・昇給のため」との回答が続き、社会環境が目まぐるしく変化する中でスキルを身につけ働き続けなければならないという意識がみえる結果となった。

一方で、「Q6.リスキリングをやらない理由はなぜですか。」という質問では、「自分の仕事がなくならない」、「自分の会社はつぶれない」、「将来にわたって給料の心配はない」の順に回答が多く、リスキリングの必要性を感じていない層がある程度いることも明らかになった。

調査を行ったNEWONE代表の上林氏は今回の調査結果について、「調査結果からもわかる通り、まだあまりリスキリングの必然性が感じられていないのが実情です。一方で、技術的失業と呼ばれるテクノロジーの発展に伴いなくなる仕事がある中で、失業なき成長産業への労働移動がリスキリングの主たる目的です。2023年は、本人任せの状況から企業主導でリスキリングを推奨し、異動や職種転換が進むでしょう。『時間がないから』という理由は減少傾向となり、一人ひとりが変化することへの前向きさが問われるようになると予想されます。個人で見たときに、リスキリング時代に上手く対応するためにも、まずは変化することに前向きなマインドを作ることが何よりも大事です」とコメントしている。 

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勤続年数別のリスキリング実施状況(株式会社NEWONEのプレスリリースより)