キャリア教育は人生の準備教育 生き方を考える時間を作り出す覚悟を

技術革新による産業・社会構造の変化、予期せぬコロナ禍など、不確実な社会を生き抜くため、キャリア教育の拡充が最重要教育課題の1つとなっている。法政大学キャリアデザイン学部でキャリア教育研究を専門とする児美川孝一郎教授に、キャリア教育の変遷と未来を聞いた。

3つのステージで振り返る、キャリア教育の歩み

児美川 孝一郎

児美川 孝一郎

法政大学キャリアデザイン学部教授
専攻は教育学。東京大学大学院教育学研究科博士課程を経て、1996年から法政大学に勤務。2007年から現職。日本教育学会理事、日本キャリアデザイン学会機関誌編集長。主な著書に、『キャリア教育のウソ』(ちくまプリマー新書)等がある。

キャリア教育という言葉が公文書で初めて使用されたのは、1999年の中央教育審議会(中教審)の答申に遡る。法政大学の児美川孝一郎教授は「キャリア教育の約20年間には、大きく3つのステージがあり、今はサードステージの段階に入っています」と話す(図表参照)。キャリア教育は1999年当時、就職難やフリーターなどの非正規雇用の増加、ニート問題や早期離職者の増加など、若年層の雇用問題対策として、労働や職業準備の側面に傾斜してスタートした。その後、2011年の中教審答申で、キャリア教育の定義の捉え直しとして…

(※全文:2154文字 画像:あり)

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