博士人材キャリア支援のために アカデミア、産業界は意識変革を

技術革新が急速に進む中、より高い専門性を持った博士人材の重要性が高まっている。労働市場における博士人材の活用が国際的潮流となる一方で、その活用がなかなか進まない日本。その課題と解決策は何か。高度な人材の育成と活用を促進するための文部科学省の施策について聞く。

ストレートドクターの減少 経済的問題とキャリアパスが課題

奥野 真

奥野 真

文部科学省 科学技術・学術政策局
人材政策課 課長
1994年科学技術庁(現文部科学省)入庁。内閣官房健康・医療戦略室企画官、研究開発局宇宙開発利用課宇宙科学技術推進企画官、研究開発局研究開発戦略官(新型炉・原子力人材育成担当)などを経て2019年7月より現職。

世の中が成熟し高度化する中、国際的な動向として、高い専門性を持った博士人材の価値が高まっている。世界の主要国においては、高い専門性、学識を持った人材が労働市場で重視され、それによって博士号取得者も伸びている状況にある。そうした世界状況に反し、日本では博士号取得者数の減少傾向が続いている(図参照)。文部科学省 科学技術・学術政策局人材政策課課長の奥野真氏は「世の中として、より高度な人材が求められている状況と、博士号取得者の減少という状況の乖離は…

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