いかにして、個人の経験を『普遍的な教え』に変換するか?

2019年度より専門職大学・短期大学が開学を迎え、リカレント教育の担い手への期待感もあり、実務家教員の需要は一層の高まりを見せている。こうしたなか、実務家教員を取り巻く状況には、どのような課題があるか。職業教育の意義等も振り返りつつ早稲田大学教授の吉田文氏に伺った。

短期化・専門特化に向かう、海外の高等教育

吉田 文

吉田 文

早稲田大学大学総合研究センター副所長、教育・総合科学学術員教授。博士(教育学)。日本教育社会学会会長、日本高等教育学会理事。日本学術会議連携会員。文部科学省中央教育審議会「大学分科会・大学教育部会」臨時委員、文部科学省「独立行政法人評価委員会」臨時委員等を歴任。専門分野は、教育社会学、高等教育、高等教育政策など。

文科省は、2019年度より制度化された専門職大学・短期大学の要件として、教員の4割以上が実務家教員であることを挙げている。また、その動きに呼応するかのように、産業界からも「地域課題解決型(PBL型)教育」に対応できる実務家教員へ期待を寄せる声が出始めた。

教育社会学の中でも特に高等教育を専門とする早稲田大学教授の吉田文氏は、「社会人の学び直しや高度専門職人材の育成は、世界的にますます必要性を高めています。アメリカやイギリスなどに比べて日本は遅れを取っていますが…

(※全文:2660文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。