高専が目指すソーシャルドクター 副業で最前線の実務家を公募

全国に51校ある国立高等専門学校、いわゆる「高専」を統括する国立高等専門学校機構が、ビズリーチと提携してサイバーセキュリティ分野での実務家教員の公募を始めた。高専が目指す人材育成像はソーシャルドクターと語る理事長の谷口功氏に公募の背景について伺った。

知識を世の中に役立て
社会課題を解決する人材へ

谷口 功

谷口 功

独立行政法人国立高等専門学校機構 理事長
奈良県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻博士課程修了(工学博士)。熊本大学工学部助手、教授、工学部長等を経て2009年に同学学長に就任。2015年に退任後、2016年4月から現職。熊本大学名誉教授。日本学術会議連携会員、奈良県総合教育会議顧問など。専門分野は電気化学(生物電気化学)。

1962年、「職業に必要な実践的かつ専門的な知識及び技術を有する創造的な人材の育成」を掲げて設立された国立高等専門学校は、モノづくりやIT、ICT関連の即戦力を数多く輩出してきた。就職率は、ほぼ100%で、現在も企業からのニーズは高いが、全国に51校ある「高専」を統括する国立高等専門学校機構は、次代を担う人材の養成をテーマに、教育改革に乗り出している。理事長の谷口功氏はこう語る。

「高専は60年前、高度な技能を持つ中堅技術者を育成する目的で作られました。しかし、その役割は20年前に終わったと思っています。今までのようにちょっとしたことができる技術者ではなく、これからの世の中を引っ張る人、変える人を育成しなければいけません」

いかにして、次代を担う人材を育てるのか。谷口氏は、…

(※全文:2503文字 画像:あり)

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