文部科学省が社会人の学び直しの実態を調査

文部科学省は「社会人の学び直しの実態把握に関する調査研究報告書」を公表した。社会人等5000人超への WEB アンケートを実施し、大学等における学び直しの実施の有無や阻害要因、教育機関に求める教育内容・方法などについて実態を把握し、現状や課題を分析した。実施主体はエーフォース社。

調査によって、学び直しの実施の有無については回答者の現在の年収との関連性がみられ、年収が上がるにつれて「学び直しの経験有り」の比率が増加し、「経験なしだが予定・興味あり」の比率が減少する傾向にあった。

学び直しの目的は、役職が上がるにつれて「専門知識を得る」「広い知見・視野」の比率が増加し、「違う職場・仕事に就く」「資格の取得」の比率が減少した。また、就業状況にある回答者は、各業種の自身の業務に近い分野を中心に学んでいる傾向がみられた。

学び直しを行った後の処遇・キャリア上の変化(大学等で学ぶ回答者)

また、学び直しを実施する機関や分野によって、処遇・キャリア上に起きるポジティブな変化に差異もあった。大学院(修士課程)での学び直しは昇進や異動・人脈つくりとポジティブな変化への影響が多く、転職には専修・各種学校や職業訓練校といった専門的な機関での学び直しが強かった。また、昇進や業務・業績に影響しやすい分野は、介護や心理学、経営学など業務に近い分野を学んでいるケースだった。

処遇・キャリアの具体的な変化の内容(大学等で学ぶ回答者)

出典:エーフォース「社会人の学び直しの実態把握に関する調査研究」

同調査は、文部科学省の「EBPM をはじめとした統計改革を推進するための調査研究事業」の一環。大学等におけるリカレント講座の持続可能な運営のために、基礎資料を得ることを目的に実施された。