大学の今、そして未来 元読売新聞「異見交論」記者の視点
これほどまでに大学の存在意義が問われた時代が、かつてあっただろうか。曰く「イノベーションの起爆装置」、曰く「優良企業に就職させる訓練機関」…。では、大学とはいったい何だろう。
「納得」を求めて
松本 美奈(まつもと・みな)
読売新聞の公式サイトで4年間にわたって連載し、このほど出版した「異見交論 崖っぷちの大学を語る」をめぐって、しばしば受ける質問がある。先日も経済専門紙の記者から真顔で尋ねられた。「今までで最も納得したインタビューはどれか」と。
大学を取材の主軸に据えて十数年。異見交論のインタビューでは、大学人のみならず、政治家や官僚、財界人らと対象を広げていった。聞いたその場では、高説に納得したような錯覚に陥る。けれどもしばらくすると、居心地の悪さを感じて、また次のインタビューを企てる。その繰り返しだった。
知りたい点はずっと変わらない。大学とはどんな価値を持ち…
(※全文:4404文字 画像:あり)
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