知識獲得だけでないメリット 成人の学習環境整備が急務

リカレント教育(社会人の学び直し、成人学習)は、日本ではまだごく一部の人の取り組みに過ぎず、そのメリットも十分に知られていない。今後のポイントになるのは、間口を広げるための施策だ。

技術革新の加速に伴い産業構造が急激に変化し、同時にスキルの陳腐化が加速している現在、リカレント教育という言葉が注目を集めるようになった。政府も、大学や専門学校などでの社会人受講者数を2015年の49万人から2022年に100万人に増やすという目標を掲げている。

成人教育のメリットとは

岩崎久美子

岩崎久美子

放送大学教養学部教授、博士
2013年筑波大学大学院図書館情報メディア研究科修了。国立教育政策研究所生涯学習政策研究部総括研究官を経て現職。研究分野は教育学、教育社会学、生涯学習。

成人の学習機会を広げていくためには、なにがポイントになるのか。国立教育政策研究所生涯学習政策研究部総括研究官を経て、現在、放送大学教養学部教授を務める岩崎久美子氏はこう訴える。

「初期教育は大学を含めても一般的には20代前半で終わります。長寿化によりり、個人にとってその後の 人生が非常に長くなっており、年齢 別人口構成上も学校教育よりも成人 学習の対象となる人口の占める比率 が高いため…

(※全文:2399文字 画像:あり)

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