全盲の弁護士が教育現場に求める、「じゃあどうする」の精神

日本で3人目の全盲の弁護士である大胡田誠氏は、同じく全盲で音楽家の妻とともに小学生二人の子育てに奮闘中だ。壁や困難にぶつかりながらも明るさを失わない大胡田氏の教育観を伺う。

失明しても「できること」を、両親が身を持って教えてくれた

大胡田 誠

大胡田 誠

弁護士(弁護士法人つくし総合法律事務所所属)
1977年静岡県生まれ。先天性緑内障により12歳で失明する。盲学校を卒業後、慶應義塾大学法学部を経て、同大学大学院法務研究科に進学。2006年、5度目のチャレンジで司法試験に合格し、日本で3人目の全盲の弁護士となる。著書『全盲の僕が弁護士になった理由~あきらめない心の鍛え方』(日経BP社)。

全盲というハンディを乗り越えて弁護士となった大胡田誠氏。小学校6年生のときに失明したが、助産師の母は『自分のことは自分でできるように』と、以前と変わらずリンゴの皮剥きやアイロンかけをさせたという。リハビリ訓練士の父親も、登山に行こうと誘っては、富士山や乗鞍岳などに連れ出した。

「父のリュックの端をつかんだり、荷物の中にあるラジオの音を追いかけたりして登りました。全盲の弟も一緒に長い杖を握って三人連なって進んだことも。目が見えなくても色んなことができるということを、身をもって教えてくれた気がします」

司法の道を目指したのは…

(※全文:2110文字 画像:あり)

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