「できない人」を「できる人」に変える 行動科学マネジメントとは何か

「行動科学」は、企業の人材育成や学校教育において大きな注目を集めるキーワードだ。行動科学マネジメントの第一人者である石田淳氏が、その手法を解説する。

「多様化」に応えるマネジメント

石田 淳(いしだ・じゅん)

石田 淳(いしだ・じゅん)

株式会社ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼最高経営責任者。社団法人行動科学マネジメント研究所所長。社団法人組織行動セーフティマネジメント協会代表理事。米国行動分析学会ABAI会員。日本行動分析学会会員。米国のビジネス界で大きな成果を上げる行動分析を基にしたマネジメント手法を日本に適したものに独自にアレンジ、「行動科学マネジメント」として確立。現在は、行動分析に基づいた「パフォーマンス・マネジメント」を日本企業に導入するためのコンサルティングに取り組む。著書に『教える技術』(かんき出版)、『組織が大きく変わる「最高の報酬」』(日本能率協会マネジメントセンター)、『短期間で組織が変わる行動科学マネジメント』(ダイヤモンド社)など多数。ブログ http://jun-ishida.com/

今、日本が「人口減少時代」のまっただ中にあることは、誰もが知ることです。

ビジネス界においては、中小、大手にかかわらずほとんどの企業が深刻な「人手不足」に頭を抱えています。若い世代を採用しようとしてもなかなか働き手が見つからない、採用できたとしても価値観の違いからか成果を出せない、すぐに辞めてしまう……。こうした現状から、各企業は新しいマネジメントの仕組みを模索しています。

時代の流れ、各人の価値観や雇用形態の多様化がさかんだからこそ、それらに左右されない、「誰にでも通用する」再現性のあるマネジメントが、今本当に求められているマネジメントのかたちでしょう。

これに応えうるマネジメント手法として注目されているのが、「行動科学マネジメント」です。

そもそも行動科学マネジメントは、アメリカの心理学者B・F・スキナーが唱えた…

(※全文:2148文字 画像:あり)

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