高等学校教科「情報」の免許保持教員による複数校指導の手引き 文科省

文部科学省は「高等学校教科『情報』の免許保持教員による複数校指導の手引き」を公表した。

高等学校では2022(令和4)年度から新学習指導要領が年次進行で順次実施される。新学習指導要領では情報科目の再編により「情報Ⅰ」が新設され、すべての生徒がプログラミングを学ぶようになる。さらに、2023年度からは、発展的にデータサイエンスや AI を学ぶ「情報Ⅱ」も選択科目として追加される。 

一方で、情報科の専任教員は全国的に不足している。文部科学省の2015年の調査によれば、全国約4,900校の公立・私立高校に情報科教員は5,732人配置されている。ただ、他の教科を担当しない情報科専任教員は1,170人と全体の20%に過ぎず、情報科以外の教科も兼務している教員が2,982人(52%)、免許外教科担任が1,580人(28%)と大半を占めている。 

こうした状況下で、情報科担当教員の積極的な新規採用や多数の既存の免許所持教員の適正な配置といった本来実施されるべき対策を推進することを前提としつつも、文科省は、実効性のある他の対策として、情報免許所持教員が複数の学校で指導する手法を検討してきた。

本手引きは、その円滑な導入に向けたもので、複数校での指導を促すことで教科「情報」での教員の指導体制の強化を図ることが狙いだ。手引きは全5章で構成。第1章は複数校指導を行うための手順をまとめた複数校指導モデルの概要を紹介。続く、第2章から第4章までは、指導形態別に複数校指導を行う上で留意すべきことなどのトピックを取り上げている。 

最後の第5章では、複数校指導を行っている教育委員会・学校の取組事例を掲載している。手引きの詳細は下記の文科省HPでダウンロードできる。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1416746.htm

21.4.20news1

複数校指導の3つの類型。「高等学校教科『情報』の免許保持教員による複数校指導の手引き」から