高校普通科を3学科に再編 高校の魅力創出目指す

文部科学省が高等学校の普通科について、1948年の新制高等学校発足以来初となる改革を目指していることが明らかになった。現行の普通科に新たに2学科を加える案を検討しており、早ければ2022年4月にも導入される。7月17日開催の中央教育審議会初等中等教育分科会 新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会で、その概要が発表された。

普通科改革とは、高校生の約7割が在籍する普通科においても一斉的・画一的な学びではなく、生徒の能力や興味・関心等を踏まえた学びを提供するという観点から、各学校の特色・魅力化の取り組みに応じ、設置者の判断で普通科以外に特色ある学科の設置を可能にするもの。現行の高等学校教育の制度を前提としつつ、普通科教育に多様性を持たせ、高校生に多くの選択肢を付与することを狙いとしている。

(画像はイメージ)Photo by metamorworks/Adobe Stock

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現在追加を検討されているのは2学科で、1つは SDGs の実現や Society5.0における現代的な諸課題への対応を図ることを目的とした「学際科学的な学びに重点的に取り組む学科」。設置の際には、当該課題に対応した領域横断的な教育を系統的に実施することや、高等教育機関や国際機関等との協働体制を構築することが要件となる。

もう1つは、地域や社会の将来を担う人材の育成を図ることを目的とした「地域社会が抱える課題の解決に向けた学びに重点的に取り組む学科」。同学科を設置する際には、地域課題等をテーマとした探究的な学びを各学年を通じて系統的に実施することや、地元自治体や企業等とコンソーシアムを構築すること、高校と地域をつなぐコーディネーターを配置することなどが要件となる。

また、この2学科以外にも、普通教育として求められる教育内容であって、特色・魅力ある教育を実現すると認められる学科においては設置が可能になるとしている。