ギフテッド・タレンテッドの才能教育 協働の中で個を磨く

同じ年齢や経験の子どもに比べて何かに突出した関心や能力を示す「才能(ギフテッド&タレンテッド)児」を発掘し、その可能性を伸ばすよう支援する才能教育が注目され始めている。大きな学級サイズで一律な教育を続けてきた日本でも、子どもの異才を伸ばす教育は広まるのだろうか。

障害児の中にも眠っている
突出した才能を持つ子ども

隅田 学

隅田 学

愛媛大学学長特別補佐・附属高等学校校長・教育学部教授
専門は科学才能教育。2012年英ケンブリッジ大学客員研究員。2013年に「幼年期から子どもの個性を伸ばし挑戦する心を育む科学者体験活動~キッズ・アカデミア-サイエンス-~」に対して野依科学奨励賞を受賞。日本科学教育学会より2018年に「学術賞」を受賞。国際科学教育協議会(ICASE)アジア代表。世界才能児協議会(WCGTC)日本代表。

2021年1月の中央教育審議会の答申により、文部科学省は「特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議」を発足した。これは、昨今注目が高まっている「ギフテッド」あるいは「タレンテッド」と呼ばれるような才能児に対する教育支援を考えるためのものである。米国では、マーク・ザッカーバーグ氏やビル・ゲイツ氏なども才能児だったとされているが、世界的に統一された定義はないという。才能児の教育について研究している、愛媛大学の隅田学教授はこう語る。

「才能児の定義としては、同じような年齢、経験、環境の子どもに比べて突出しているという表現が使われることが多いです。英語の『ギフテッド』には、いわゆる天賦の才のニュアンスが含まれていますね。知的能力や創造性、表現力、リーダーシップ能力などが規準となることが多いです。…

(※全文:2466文字 画像:あり)

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