10年後の学習塾業界の行方と生き残り戦略

人口減少や大学全入時代といった問題にさらされている学習塾業界。今後生き残っていく塾の事業モデルや戦略は何だろうか。「授業をしない」という独自の経営スタイルを構築し全国に拡大している武田塾に、10年後の塾業界の展望を聞いた。

学習塾業界の常識を覆した
日本初の「授業をしない塾」

林 尚弘

林 尚弘

武田塾塾長、株式会社A.ver 代表取締役社長
1984年、千葉県出身。学習院大学法学部卒。高校1年生から浪人時代まで4年間予備校に通い大量の授業を受けるも、受験に失敗。その経験から大学1年で起業、その後「日本初!授業をしない」武田塾を設立。2校舎だった2014年にFC展開を本格化。2021年10月現在で全国に約400校舎を展開。

2006年の第一校舎開校以降、全国に400校舎を展開する大学受験専門塾がある。日本初の「授業をしない塾」として、独自の自学自習メソッドを打ち出す武田塾だ。武田塾では、偏差値を上げるためには「わかる・やってみる・できる」の3ステップが必要だとし、高校や塾の授業では「わかる」までしか到達しないと考えている。その先の「やってみる」「できる」の段階に到達するには、1冊の参考書を完璧に身に付けることが重要であり、一斉画一の授業を受け身で受講するよりも、主体的に学ぶ自学自習の時間が欠かせないとしている。同塾の創設者である林尚弘塾長はこう話す。

「市販の参考書には講義形式などの分かりやすいものが数多くあります。また、一般的な学習塾の授業では1週間に1単元ずつしか進まないケースもありますが、…

(※全文:2513文字 画像:あり)

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