社会の現場に出て課題を知り、理論やモデルを学ぶ

これからの時代を担う学生にはどんな学びが必要なのか。社会連携教育を重視する関東学院大学学長の小山嚴也氏に話を伺った。

社会とつながり、
実践的な教育を

小山 嚴也

小山 嚴也

関東学院大学 学長
神奈川県横浜市出身。博士(商学)。専門分野は経営学・CSR論。一橋大学大学院商学研究科博士後期課程単位修得退学後、山梨学院大学商学部専任講師、助教授を経て関東学院大学経済学部助教授に就任。以降、准教授、教授、副学長、経営学部長等を経て、2021年4月1日から現職。

植草 茂樹

公認会計士(事業構想修士、東京工業大学企画本部特任専門員、東京農業大学客員教授、(独)国立青少年教育振興支援機構監事)。
大手監査法人教育セクター支援室にて会計監査等を経験後、独立。内閣府「PEAKS会計・資産活用WG」主査、文部科学省「国立大学法人会計基準等検討会議委員」など歴任。

江端 新吾

東京工業大学総括理事・副学長特別補佐
企画本部戦略的経営室教授、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局上席科学技術政策フェロー。
文部科学省科学技術・学術審議会「研究開発基盤部会」の委員等を歴任。

関東学院大学は、来年4月からキャンパスの再編により、横浜の関内駅前に新キャンパスを開設する。大学の「売り」の一つが「社会連携教育」であり従来から実践されてきた。連携する「社会」は、企業・自治体はもちろん地域住民など幅広いが、最近の事例で興味深いのは日本マクドナルドとの連携である。人間共生学部共生デザイン学科の学生らによる店舗で使用するトレイマットのデザインコンペであり、横浜市とも連携し、最優秀賞のデザインは横浜市内のマクドナルド全店で実際に使用するという。

この社会連携教育の全体像を図表1のように体系化したのが、昨年4月から学長を務める小山嚴也氏である。小山氏は就任以来、「課題は教室の中ではなく社会にある」と言い続け、実際学生を社会に連れ出し課題を目の当たりにする機会を作ってきた。しかし社会の課題が多様かつ複雑になっており、課題を構造的に理解するためには教養が必要だ。また、多くの課題は近代化が生み出した影の部分であり、近代化の思想的背景を理解するためにも、さらに自己や他者を理解するためにもキリスト教を知ることが必要となる。それを踏まえてこそ、課題解決に必要な専門の学びが活かされるのだと小山氏はいう。これが、…

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