『東京大学で考える 臨床思考の問題解決』臨床思考的知性―AGI時代の人間の知と教育

須藤修・中尾彰宏監修、的場大輔・柴田順子・上甲昌郎編による本書は、監修者の予想を超えて多くの人に親しんでいただいている。関係者各位への感謝の念とともに書籍をご紹介する。

CDEプロジェクトとは

『東京大学で考える 臨床思考の問題解決』

『東京大学で考える 臨床思考の問題解決』

須藤 修 監修/中尾彰宏 監修/
的場大輔 編/柴田順子 編/上甲昌郎 編
ダイヤモンド社、2026年2月、A5変並版、
280頁、2600円+税

須藤 修

須藤 修

東京大学名誉教授/中央大学ELSIセンター アドバイザー
1955年生まれ、研究領域は社会情報学、医療情報学、情報経済論。東京大学大学院情報学環教授を2020年3月まで務め、その間、大学院情報学環長、東京大学総合教育研究センター長などを歴任した。東京大学退職後、中央大学国際情報学部教授、中央大学ELSIセンター所長を務めた。現在、東京大学名誉教授のほか、総務省「AIネットワーク社会推進会議」議長、OECD Expert Group on AI Futures委員としてAIガバナンスの研究と政策に注力している。

最初に本書の源泉となった東京大学・日本IBMの共同研究プロジェクトCDEについて述べておきたい。

CDEとは「コグニティブ・デザイニング・エクセレンス」(Cognitive Designing Excellence)の略称で、東京大学と日本アイ・ビー・エムが2019年7月から2022年3月まで産学連携で取り組んだ研究プログラムである。

プログラムの核心的な問題意識は、東京大学が持つ人文社会科学系や先端科学系の独自性を有する知見と、IBMが持つAI、IoT、量子コンピューターなどの先端デジタル技術を交流させ、日本企業の蓄積された知見を活かしながら持続的成長を実現する社会モデルの創出を推進するというものだった。

CDEとしては、人文・社会科学領域とSTEM(Science, Technology, Engineering, Mathematicsの知見)を相互作用させた学融合的な知見と臨床的と表現すべき直観を重視した思考から、生活世界の新たな価値と新たな活動領域の意義をもたらす革新的な社会モデルをデザイン・構築することであった。そして、その先進的で自由な技能、技芸(高度なリベラルアーツ)、直感を大切にした臨床的思考を参加者に経験してもらうことであった。

(※全文:2289文字 画像:あり)

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