設立数年で世界トップクラスに 世界中の人材を惹きつけるOIST

世界最高レベルの研究機関となることを目指し、日本政府主導で設立された沖縄科学技術大学院大学(OIST)。2017年から学長を務めるピーター・グルース博士に、設立後数年で『質の高い論文ランキング』で国内トップ、世界9位に入った OIST の教育・研究の特色、今後の展望などを聞いた。

世界トップの人材を惹きつける

──新型コロナウイルスが社会や教育に与える影響について、どうお考えですか。

ピーター・グルース

ピーター・グルース(Peter Gruss)

学校法人沖縄科学技術大学院大学学園理事長、沖縄科学技術大学院大学学長
1949年独アルスフェルト生まれ。ハイデルベルク大にて博士号(生物学)。マックス・プランク学術振興協会会長を12年務め、17年より現職。シーメンス社の技術革新カウンシル元議長。ドイツ連邦共和国功労勲章など、受賞歴多数。

新型コロナウイルスは、今世紀で最も予期せぬ最悪の事態を招いていることを認識すべきだと思います。最も直接的な影響としては、多くの方の命が失われたことの他に、失業の問題が挙げられます。アメリカでは現在、数千万人の失業が、新型コロナウイルスによるものだと言われています。各国の政府は、ウイルスの感染拡大を防ぐだけでなく、経済の崩壊を防ぐことも迫られています。

一方、コロナ禍においては、拡張現実(AR)やビデオ会議など、バーチャルテクノロジーが活性化しています。バーチャルテクノロジーは、教育においても…

(※全文:4621文字 画像:あり)

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